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こんにちは、アットビです。
初回のテーマは、名前の由来。そう、「アットビ」という名前がどうやって生まれたのか。
たった4文字のこの言葉に、どれだけの時間と迷走と想いが込められているか。それをしっかり書いておこうと思います。
迷路のようなネーミング期間
名前は、ずっと使っていくもの。
だからこそ、すごく悩みました。いや、想像以上に悩みました。
普段は、謎解きイベントで登場する街の名前やアイテムの名称なんてスッと出てくるんです。
なのに、会社の名前だけは1ヶ月、2ヶ月…どれだけ考えても「これだ!」というものが見つからない。
「直感だ!」と思ってその場で浮かんだ単語にしてみても、しっくりこない。
ChatGPTにも聞いてみたけれど、いまいちピンとこない。

こうなったら、とにかく自分の中にある言葉を全部書き出してみようと、頭の中にある単語・語感・イメージをひたすらパソコンに打ったり、紙に書いたりしました。

「謎解き」「非日常」「ワクワク」「ひらめき」「街歩き」「エンタメ」「体験設計」…
とにかく思いつく限りの要素を全部、出して、混ぜて、眺めて、それでもまだ決まらない。
「名前」じゃなくて、「思い」から。
このままでは無理だと思い、今度は「どんな名前にするか」ではなく、
“何を届けたいか”という原点に立ち返ってみました。

そこで見えてきたのが、2つの感覚でした。
ひらめき。そして、きっかけ。
謎が解けた瞬間の、あの言葉にならない快感。
そして、それによって世界が少し広がっていくような感覚。
この2つを大事にしようと決めてから、「どう言葉にすれば伝わるか」を改めて考えました。
その中で出てきたのが、この一文です。
「“あっ!”となる体験で、視野を広げるきっかけをつくる」
この言葉なら、自分がやりたいことを素直に表せると思いました。
名前も、きっとこの軸に沿ったものであれば大丈夫だと、ようやく前に進めた気がしました。
ピース①:「あっ!」という脳がはねる瞬間
自分が謎解きをしていて一番楽しいのは、やっぱりひらめいた瞬間です。
「あっ、それか!」「これでいける!」と気づいたときに、脳が一気に冴える。
頭の中にドーパミンがぶわっと出る感じ。
体も勝手に反応して、思わず声が出るくらい興奮する。
この感覚を味わいたくて、何度も謎解きをやっているんだと思います。
日常ではなかなか出会えない体験だからこそ、それを届けるものにしたいと考えました。
ピース②:「扉」という、世界が広がるきっかけ
そしてもう一つが、「扉」。
謎解きって、知らない街に行くきっかけだったり、知らなかった知識を知る入り口だったりする。
単に遊ぶだけじゃなくて、「へぇ、こんな人がいるんだ」「こんなものがあったんだ」って気づかされる。
エンタメでありながら、ちょっと世界が広がるきっかけになる。
そして、その提供側になる。
それがすごく好きで、自分がこの仕事をしている理由にもなっていると思っています。
きっかけ、を色々と言い換える中で出会ったのが「扉」という言葉でした。
「アットビラ」か、「アットビ」か。
“あっ!”と“扉(とびら)”を掛け合わせた名前がいい、となってから、
最初に出たのは「アットビラ」という案。
でも、何かが違う。
ちょっと長いし、ヴィラっぽさがあって、リゾート施設と勘違いされそうな気がした。
そして何より、可愛さがない。
そこで最後の1文字だけ削ってみたところ、「アットビ」の方がぐっと親しみやすく、語感にも愛嬌がある。
どっちにするか最後まで悩んだのですが、「アットビ」の方がピンときた。
これは、単純な思いつきの直感ではありません。
ずっと試行錯誤していたから生まれた直感でした。
アットリエールと「工場長」の名刺
ちなみに、「アットビ」が決まる前に検討していた案として、「アットリエール」という名前もありました。
「アトリエ」+「エール(応援)」からなる造語。
コンセプトは、謎解きをつくる部屋。サプライズファクトリー。
当時は名刺データまで試作していて、代表ではなく「工場長」という肩書き。
作ってる感や、仕掛けてる感を込めた、けっこう気に入っていた案でした。

でもまあ、冷静になると世界観が強すぎて、怪しさが…。
いざ、ここに謎制作を依頼してみようとはなりにくい感じもする。
そして何より、「アットビ」は声に出したときのひっかかりが心地よかった。
ロジックで導いたというよりは、自分の言葉として馴染んだのが「アットビ」だったという感じです。
ビジョン:ひらめきで、世界の視野を広げる
「アットビ」という名前に込めた思い。
それは、ひらめきが“楽しい”だけで終わらずに、ちょっと世界の見え方が変わること。
アットビでは、謎解きを3つの視点で捉えています。

歩かせる ―― 街が一つの舞台に変わる(回遊プラン)
人を動かすとは、単に移動を促すことではありません。
出会ったことのない景色、入ったことのないお店、知らなかった道。
謎解きがその導線を生み出すことで、街そのものが“体験の舞台”に変わっていきます。
震わせる ―― 驚きを共有して、人がつながる(社内イベントプラン)
謎が解けた瞬間、思わず出る「あっ!」という声。
それを他の誰かと同時に味わったとき、関係性が一気に変わります。
驚きに至るまでのプロセスを一緒に歩むことで、お互いの性格や思考のクセまで自然と伝わっていく。
だからこそ、謎解きはチームビルディングや社内コミュニケーションとも非常に相性が良いと考えています。
伸ばす ―― 学びのきっかけは、遊びの中に(なんでもプラン)
謎解きと「学び」は、実はとても相性が良いと私たちは考えています。
たとえば、SDGsやエネルギー問題といったテーマも、“遊び”という入り口があることで一気に“自分ごと”になります。
ただ読むだけよりも、問いかけられ、探し、気づくことで深く残る。
謎解きは、その流れを自然につくることができます。
とはいえ、アットビは“学び”に限定しているわけではありません。
たとえば、地域の特産品やキャンペーンの紹介も、「知ってもらう」「体験してもらう」という意味では、広義の学びだと捉えています。
そして何より、“楽しい”という価値だけでもイベントは成立します。
だからこそ、あえて“なんでもプラン”という名前にしています。
だからこそ、どんな場所にも仕掛けられる。
「そんなのもアリなんだ」と思ってもらえたら、それが一番うれしいです。
街?施設?会社?あなたが開きたい“扉”はどこ?
あなたが動かしたい場面や課題に、“ひらめきの扉”を仕掛けてみませんか?
「こんな歴史があったのか」「こんなお店があったのか」──
そんな気づきが、たった一つの謎から始まることがあります。
観光地では、ただの移動が物語になります。
施設では、知識の伝達が“体験”に変わります。
会社では、社員同士の無関心が“驚きの共有”に変わります。
謎解きは、エンタメであると同時に、“仕掛ける手段”でもあります。
あなたの街・施設・組織に眠る価値を、まだ見ぬ誰かとつなぐ鍵として使ってみませんか?
今後は、
「街歩き×謎解きイベントを成功させるコツ」や
「謎解きの種類、徹底解剖」なども記事にしていく予定です。
よければ、そちらも楽しみにしていてください。
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現在あなたの街や施設などが抱えている問題を、
「あっ!」というひらめきで解決します。
「こんな歴史があったのか」「こんなお店があったのか」を知ってもらうきっかけとして、謎解きを使ってみてはいかがでしょうか。